前回からの続きです。
なるべく安価にホイールを軽量化したい場合、まず思いつくのがスポークの間引きだと思います。
体重の軽い方であれば、完成車についてきがちな32本スポークは必要ないんですよね。(16本で十分というわけでもありませんが。。。ベストは20本だと思います)
しかし、結論からいえばスポークを間引いたホイールはまともなものになりません。詳しく解説していきます。
ハブ穴の角度が合わない
まず、手組用の16Hハブというのはほとんど無く、入手が困難です。
一方16Hリムはハブに比べればまだ入手しやすいです。
そこで、32Hハブと16Hリムを使って、ハブ穴を半分間引いて16Hホイールとして組むとどうなるでしょうか。
32Hハブの片側は16Hですね。つまり、360度の中に均等な間隔で16個穴が空いているわけです。
そうなると、隣の穴との角度は22.5度となりますが、一個飛ばしで組むので隣の穴との角度が45度となります。
反対側のフランジのスポーク穴は、ちょうど半分だけズラしてあります。
32Hハブのスポーク穴のずらし量は11.25度となりますね。
本来16Hのスポーク穴ずらし量は22.5度ですが、32Hハブだとその位置に穴が無いので
上の図の赤丸のどちらかに入れるしかありません。角度で言えば11.5度か33.75度のどちらかに入れる事になります。
そのまま組み上げるとスポークが左右にねじれます。
それくらい問題無さそうに思えますが、前を向いている側のスポークがブレーキングごとに緩む作用が働きます。
結果、ホイールの片側のスポークテンションが緩みやすい、ホイールセンターがずれやすいなどの不具合をかかえるホイールになってしまいます。
リム穴もやっぱり合わない
では32Hハブ、32Hリムを使って、スポークは間引いて16本で組むとどうなるでしょうか
リムには左右に穴振りがあります。
特に32Hリムはハイトが低いリムが多く、穴振りが強めに付いているものも多いです。
その穴振りのどちらかを使うことになりますね。
特にリムハイトの高いものに多いですが、リムの頂点に強いアールがかかっている場合、ニップルの指向性が強く制限される事もあるので、それを逆に組むとニップルに過大な負荷をかけかねません。
ニップルの指向性が制限されないリムであっても、若干のおちょこがあるホイールを組むような感じになります。この場合は何か深刻な問題が発生するわけではありませんが、なんだか気持ち悪いですね。
そもそも身も蓋もない話ですが、見た目がかっこ悪いです。
というわけで、間引きしてホイールを組むのはおすすめできないというお話でした。
次回は反フリー側ラジアル組みについて解説します。