ロードバイクに乗っていて、変速の調子が悪くなってきて、自分で調整しようと思って弄ってみるものの、余計に悪化させてしまった!という経験はありませんか?

この記事では、初心者の方でも確実にリアの変速調整ができる方法を解説します。

ディレーラーとは?

ディレーラーとはギアチェンジをする際にチェーンの位置決めと誘導をする部品です。

スポーツバイクの場合は前後に変速機構がありますが、フロントディレーラーはグレードや世代によって調整方法が大きく異なります。別記事にて解説します。

一方リアディレーラーは基本的な調整方法は、細かな違いはあれど、グレードや世代を問わずだいたい同じです。

リアディレーラーの調整ネジ

リアディレーラーについている調節できるネジは

Hネジ、Lネジ、アジャストボルト、Bテンションボルトの4つだけです。

それぞれの役割について

Hネジ

ディレーラーについているバネの力はトップ側に向けて働きますが、その動きを一定以上トップ側に行かないように制限するのがHネジの役割です。

Lネジ

シフターでローギアへ変速していくとワイヤーを引っ張る事になりますが、1速に入っている状態でさらに引っ張ってもそれ以上行かないように動きを制限をするのがLネジです

アジャストボルト

変速はワイヤーを引っ張ることで行っていますが、アジャストボルトはワイヤーの張りを調整するボルトです。

アジャストボルトを締めるとワイヤーが緩み、下の図で言うと全体が右側に行きます。つまりトップ側に変速しやすくなります。

アジャストボルトを緩めるとワイヤーの張りが強くなり、下の図で言うと全体が左側に行きます。つまりロー側に変速しやすくなります。

Bテンションボルト

ディレーラーの上側のプーリーの高さを調節するボルトです。

プーリーとスプロケットは近い方が変速性能が向上しますが、近すぎるとチェーンがスムーズに動きません。スムーズに動いてかつなるべく近い位置が最適です。

調整方法

調整に入る前に必ず確認が必要なことがあります。

それはバイクを真後ろからみて、ディレーラーが地面と垂直になっているかを確認します。

右側に転倒したことがあるバイクだと、ディレーラーが地面にぶつかり、このように

曲がってしまうことがあります。

これを直さないことには正常な動作はできません。

多少の曲がりであれば手で引っ張るだけで治りますが、曲がりが大きいもの(1速に変速した場合にホイールに当たるもの)はディレーラーハンガーを交換する必要があります。

ショップへ相談してください。

新車購入時から一度も変速調整をしていない、初めての変速調整

この場合、触っていいのはアジャストボルトのみです。

大事な事なのでもう一度言います。触っていいのはアジャストボルトのみです。

それ以外のネジをいじると余計におかしくしてしまいます。

アジャストボルトを左に回すとワイヤーの張りが強く

アジャストボルトを右に回すとワイヤーの張りが弱くなります。

全体的にスムーズにシフトアップ、シフトダウンが行えるようになったら終わりです。

自分で調整しようと思って色々いじくった場合

色々いじくって訳がわからなくなった場合は、まず最初の状態に戻す必要があります。

1、ワイヤーの固定ボルトを外します。ワイヤーの固定方法を忘れないように、外す前に写真を撮っておくと良いです。固定方法を間違えると変速調整がうまくいきません。

2、アジャストボルトを目一杯締め込み、1回転緩めます。

3、ペダルを回しながらHネジを締め込んでいき、チェーンが次のギアにぶつかってチャリチャリ音が出始めますので、その位置から1回転戻します。

4、シフターがトップ(一番重いギア)に入っていることを確認してワイヤーを固定します。このとき、ワイヤーは強めに引っ張りながら固定しましょう。

5、変速をしてみます。スムーズにシフトアップ、シフトダウンができるようにアジャストボルトで調整します。このときローギア(1速)にはまだ入れないでください。

6、5までの調整がうまく行ったら1速に入れます。

7、ペダルを回しながら更にワイヤーを引っ張ります(シフターをローギアの方向(0速)へ変速しようとする)そのときにスプロケからチェーンが浮き上がらない程度までLネジを締め込みます。

8、1速へ入れた状態でペダルを逆回転させます。回転に所々引っかかりがある場合はBテンションボルトを締めます。問題ない場合はBテンションボルトは触らないほうが良いです。

9、全体的にスムーズに変速するか再確認をして、完了です。

ディレーラーを交換した場合

最新型のR9100やR8000はダイレクトマウントに対応しておりますが、普通のマウントに取り付ける場合ディレーラーハンガーとブラケットに隙間が開かないように固定します。

出典:SHIMANO

あとの調整方法は上と同じです

その他ありがちなトラブル

Q:変速時のレスポンスが異常に悪い

A:ワイヤーがサビや汚れで動きが悪くなっていませんか?ワイヤーの固定ねじを外してワイヤー単品を引っ張ってみて下さい。動きがしぶければ要交換です。

Q:アジャストボルトを回しても回してもロー側に変速しない

A:アジャストボルトは緩めすぎるとディレーラー本体から抜けます。ワイヤーの固定をした時点でワイヤーの張りが緩すぎですので、張りが強くなるようにワイヤーを固定しましょう。

アジャストボルトを締め込み、ワイヤーの固定ボルトを外し、しっかりワイヤーを引っ張りながら固定してください。