人気記事の整備をしましたシリーズです。
リアル店舗のチャリ学工房にてお客様よりオーダーいただきました。
流行り病の影響で新車が手に入らないので、程度の良い中古を仕入れ、しっかり整備してから納車します。
乗り手は小柄な女性の方なので、体型に合わせたカスタムもしていきます。
入ってきたまんまの姿は諸事情があって写せません。
関西地域で有名な、某プロショップのステッカーがフレームに貼ってあります。
かなりの台数のロードバイクを売る大きなお店ですが、何故かすこぶる評判が悪いショップです。
現状確認
ぱっと見で気になったのが、ハンドルとSTIレバーのセッティングです。
取り付け位置も角度もイケてません。
ショートリーチハンドルがついているのに、こんな先端にSTIレバーがついていたら、ブラケット位置が遠くなってしまいますね。せっかくのショートリーチハンドルが台無しです。
ハンドルの下部分が地面と並行に、STIレバーは地面と垂直になるように変更しました。
次。
毎度おなじみ、コラムのプレッシャーアンカーが緩くて上にズリ上がっています。
プレッシャーアンカーを適正トルクで締め直してみましたが、コラムを付けてトップキャップを締めると、またズリ上がってしまいます。
つまりはプレッシャーアンカーの固定力が足りていないという事です。このような時には、フィニッシュラインのファイバーグリップを塗布します。
ジャリジャリとした粒子が摩擦係数を高め、固定力を増強します。
これを塗布して再度締め付けたらしっかり固定され、ズリ上がらなくなりました。
他にもカーボンハンドルをお使いの方で、ステムネジを適正トルクで締めてるのにハンドルが下がってしまう方も、こちらのファイバーグリップを塗布すると解決しますよ。お試しあれ。
次。
シートポストが締めすぎによってクラックが入っていたので新しいものに交換しました。
次です。
チェーンのつなぐ方向が逆です。
矢印の部分がコネクトピンです。
チェーンのパッケージにはこのような説明書が同封されており、「Aで繋ぐことを強くお勧めします」と書いてあるのですが、逆方向に付けてるのは何なんでしょう。読まずに食べたんでしょうか。
しかもよくよくチェーンを見たら、なぜかデュラエースグレードのCN-HG901でした。
また、リアディレーラーにはビッグプーリーが入っていましたが、これらの高級機材は本当にオーナー様の希望で導入したのでしょうか?
憶測ですが、客から金をふんだくろうとして、勝手に高級機材をつけているんだと思います。
なぜそう思うかって?
ネットのクチコミで「メンテナンスに出したら、頼んでもないパーツを勝手に着けられた」「予算の倍もする商品を勧められた」といった書き込みがあるんです。
いくら沢山のロードバイクを売ろうと、こんなテキトーな整備をして、ぼったくり商売をしていれば評判が悪くなるのもむべなるかな。
組み上げ
さて、 グダグダ言うのはこのくらいにして組み上げていきます。
BB周りに、チェーンが脱落したときのフレームプロテクターが無いので、鉛シートを貼って保護します。
クランクは小柄な女性のお客さまなので、長さ160mmのショートクランクを着けました。
リアディレーラーのビッグプーリーは、回転抵抗が少ないものの変速性能と耐久性に難ありなので、純正ディレーラーに交換しました。
次です。
向きが間違っているチェーンのコネクトピンを外しました。
一度コネクトピンで繋いだアウタープレートの穴は広がってしまうので、再度コネクトピンを挿入することができません。
なので、該当箇所の1コマを外してミッシングリンクを取り付けました。
ミッシングリンクにも向きはあります。もちろん間違えてません(当たり前だ)
あとはお客さまとご相談の上、快適装備を着けてご納車となります。
まとめ
このような感じで、乗り手に合わせたカスタマイズも承っておりますので、ご用命の方はリアル店舗のチャリ学工房までどうぞ。一番上のバナーからHPへ飛べます。