前にピナレロプリンスをオーバーホールしたことがありましたが、今回はデローザアヴァントです。
現状確認
学生さんが乗っていたもので、雨の日は乗っていなかったとの事ですが、おそらく3年間まともな整備はされていなかったのでしょう。汚れが凄い上にあちこちグダグダです。
まずぱっと見で、サドルが変です。前下がり過ぎ、前に出すぎです。
これでは尾てい骨や座骨に痛みが出ます。
バーテープの巻き方が甘く、緩んでいます。
それにエンドテープの巻き方がヘタクソ過ぎです。これはもしかしたら持ち主が自分でやったのかも知れません。それなら特に思う所は無いのですが、プロが工賃をもらってやった仕事なら許しがたいです。
次。ホイールはアクシウムエリートなのですがエアロスポークがあっちこっち向いています。
経年によってニップルが緩んでもスポークがあっちこっち向くことは無いので、振れ取りをした結果でしょう。
横振れ自体はほとんどないので、この振れ取りは持ち主がやったのではなくショップがやったのだと思います。
スポークがねじれてても横振れさえ取っときゃいいでしょ、みたいなテキトーな整備をしてお金を取るク○ショップは滅びて、どうぞ。
次です。
STIレバーの向きが変です。
右のレバーは、自転車が倒れた時に内側に入るのはよくあるので、まだ分かるのですが(転倒傷は無いけど)
左レバーが外側に向いているのは何ででしょう?最初からなのでしょうか。
それから、オーバーホールを進めていたら、フォークがおかしなことになっていました。
まず、プレッシャーアンカーの固定力が足りていません。このケースは過去に記事にしていました。
トップキャップを外したら、このように
ステムの上面とツライチになっています。
このようにプレッシャーアンカーの固定力が足りずに、トップキャップを締めたらプレッシャーアンカーが上にずり上がってきてしまうせいです。
さらにプレッシャーアンカーを正しい位置にセットしようとしたら強烈な違和感を感じ、よく見てみたら・・・
はい。どうやって切ったか知りませんがコラムの断面がガタガタです。
修理・掃除・整備
という事でここから直していきます。
コラムの断面をやすりで整え、プレッシャーアンカーを正しいトルクで締め付けました。
当然ですが、トップキャップを締めても、このようにステム上面とは段差が出来ています。
あちこち砂利だらけだったので、またまた登場ワコーズの水無し洗浄フォーミングマルチクリーナーで洗車しました。
サドルを固定するやぐらは、後輪から砂利を巻き上げるのでかなり汚れが溜まりやすいです。(写真を取るのを失念しました)
そして、砂利が噛んでいると体重がかかった時に音が鳴ることがあります。こちらでも解説しています。
綺麗にやぐら周りの砂利を掃除して、音鳴り防止にグリスを塗って組み付けました。
ついでにシートピン周辺も、砂利が噛むと音鳴りが発生しやすくなります。このバイクも勿論掃除しておきました。
次。ホイールのスポークのねじれを直しました。
後輪はそれほどでもありませんが、前輪はほぼ全部向きがバラバラです。中には90度くらいねじれているものありました。
振れ取りとセンターだしもおこなっています。
掃除をしながら各部点検し、オーバーホール完了です。
NEW→FELT FR30の整備をしましたもどうぞ
おまけ
今回のように、まともでない整備状態の自転車は数多く見ます。
これまでに診てきた自転車の内、8割以上の個体は何かしら整備不良です。
腕のいいショップに整備を任せられれば一番良いのですが、近くに信頼出来るショップが無いという方向けに、オンライン自転車修理店を構想中です。
coming soon….