チェーンはメンテナンスがとても大事

皆さん、愛車のチェーンは適切にメンテナンスしていますか?

チェーンと一口に言っても、実は奥が深いんです。

1本のチェーンは1つのパーツとして捉えられがちですが、

1リンクの中に

・インナーorアウタープレート2枚

・リンクピン

・ローラー

といったパーツがあり、それが(自転車にもよりますが)平均108リンクあるので、合計432個もの部品で構成されています。

それほど大量の部品で構成されたチェーンですが、引っ張る力、曲がる力、左右にねじれる力が絶え間なくかかる部品という事を考えると、潤滑状態が非常に大事にであると分かると思います。

チェーン洗浄の注意点

シマノの11速チェーンはシルテックというテフロン加工の一種がされております。

シマノの公式案内では、「シルテックチェーンの洗浄には中性洗剤を使用し、酸性・アルカリ性の洗剤は使用しないで下さい」とアナウンスしています。

これは、強力なディグリーザーでチェーン内部まで完全脱脂してしまい、更に適切なチェーンオイルの塗布がなされなかった場合、想定外の摩耗によってシルテック加工が剥がれる恐れがあるためです。

すると、シルテック加工が剥がれてしまった部分の金属表面が露出し、金属同士が直接摺動してしまうので、チェーンの摩耗を早めてしまいます。

最悪の場合、インナーもしくはアウタープレートにクラックが入って破断する恐れもあるそうです。

チェーンの洗浄方法

で、実際に洗浄してみると分かるのですが、ホームセンターで売っている一般的なパーツクリーナーは、油分を除去するのには適しているのですが、チェーンの隙間に入り込んだゴミや砂などにはほとんど効果がありません。

いくらパーツクリーナーをチェーンに吹きかけてもジャリジャリとした感触が取れないんですね。

そこでおすすめなのが、ワコーズのチェーンクリーナー&フォーミングマルチクリーナーです。


このチェーンクリーナーは遅乾性で、じっくりと汚れを分解してくれます。

そしてフォーミングマルチクリーナーを吹きかけると、吹き付けた瞬間にモコモコと泡が成長して、細かい隙間に入り込み、チェーンクリーナーに溶かされた汚れを吸着して落下します。

もちろん中性なのでシルテック加工への攻撃性もありません。

フォーミングマルチクリーナーをかけたあとは、チェーンに水が付いているような感じなので、浸透潤滑剤ラスペネを塗布します。

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このラスペネは水置換性といって、金属表面の水分を押しのけて、油分が表面になじむ性質があります。

ラスペネによって水分を除去したのちに、普段お使いのチェーンオイルを塗布すれば、チェーンは最適な状態になります。

ちなみに個人的おすすめチェーンオイルはゴキソの個体潤滑チェーンオイルです。

実際の施工について、詳しくはこちらの動画を参考にしてください

チェーンに汚れが付いているとどうなるか

チェーンの汚れによる回転抵抗はものすごい大きなものになります。

例えるなら、コップに水を入れて箸でかき混ぜるのと、はちみつをかき混ぜるのを想像してください。

水をかき混ぜるのはほとんど抵抗を感じずにくるくる回せますね。これがチェーンの潤滑が良い状態です。

一方はちみつをかき混ぜると大きな抵抗を感じます。これはチェーンに汚れが堆積した状態と言えます。

ビッグプーリーでチェーンの回転抵抗減!などと言いながらチェーンが汚れていると、全く意味がありません。

ビッグプーリーを入れるよりもチェーンをこまめに綺麗にしていた方が、よっぽど抵抗は少なくなります。

また、砂などの異物が入り込んだ状態で使っていると、異物が研磨剤のような役割を果たし、チェーンの摩耗を早めます。

チェーンの交換時期

チェーンチェッカーで確認し、0.75%伸びたら交換です。距離にして3000~6000kmくらいで交換と言われています。

距離の差が大きいのは、やはりチェーンの状態に非常に大きく左右される為です。

そもそもなんでチェーンが伸びるのか?

金属製のチェーンが人間の力ごときで伸びるのが疑問に思われる方もいるかもしれません。

チェーンの伸びは、チェーンプレートが伸びる訳ではなく、チェーンピンの1本1本が摩耗によって痩せて細くなるので、全体的に長くなるんですね。

つまり、チェーンピンの潤滑が不足していると伸びやすくなり、しっかり潤滑していれば伸びにくくなるという事です。

交換時期を過ぎてもそのまま使っていたら?

最近シマノチェーンが値上げに次ぐ値上げを行った事から、ケチって交換しないで使いつづける人もいますが、伸びたチェーンを使い続けるとスプロケットやクランクギアの摩耗を早めてしまいます。

スプロケットやクランクギアまで摩耗してしまうと、新品チェーンに交換しても歯飛びを起こしてしまうので、全て交換となります。

チェーン交換の費用をケチったばかりに、余計な出費がかさみますので、チェーンは交換時期が来たら直ぐに交換しましょう。

まとめ

今回はチェーンについて詳しく解説しました。

チェーンは潤滑状態が大変大事なパーツで、タイヤ、ブレーキに次ぐ交換サイクルの早い消耗部品です。

自分で洗浄や交換が出来ると長く使用ができてお得ですので、是非試してみてくださいね。