BB(ボトムブラケット)の規格は、昔はJISとイタリアン(ITA)しかなかったのですが、最近では色んな規格が乱立しまくっています。私も全てのBBを見たことがあるわけではありません。

が、大体はJIS、ITA、BB30、BB86、BB386の5種類がほとんどで、それ以外はあまり見かけません。

この記事ではこの5種類のBB規格を詳しく解説します。

そもそもBBとは?

BBとはbottom bracket(ボトムブラケット)の略で、クランクを回すためのベアリングです。

各部寸法

①ハンガー幅

フレームのBBが収まる場所の端から端までの寸法です。

②内径

BBが収まる場所のフレーム内径です。

③クランク軸径

ホローテックⅡクランクの軸径(=ベアリング内径)です。

JIS/BSA

昔からある規格で、普及率は一番高く、ママチャリは全てJISです。

右ワンが逆ねじになっています。

カップアンドコーンから始まり、スクエアテーパー、オクタリンクを経て、ホローテックⅡへと進化しました。

後述しますが、ベアリングを圧入するタイプのBBは、何度も脱着を繰り返すとフレームが広がってガバガバになったり、音鳴りがする事から最近ではJISに回帰してきました。

ハンガー幅が68mm、内径が34.8mm、クランク軸径が24mmです。

こちらがJISの105/アルテグラグレードのBB

こちらがJISのデュラエースグレードのBBです。

イタリアン(ITA)

これも昔からある規格です。ロードバイク特有の規格で、MTBなどには採用されません。最近ではあまり見かけなくなってきました。

左右とも正ねじなのが特徴です。

JISがなぜ右ワンを逆ねじにするのかというと、ペダリングによって緩んでこないようにするためであって、ITAは普通に右ワンが正ねじなので緩みやすいです。

ハンガー幅が70mm、内径が36mm、クランク軸径が24mmです。

ハンガー幅が70mmより少しでも狭いと、いくら右ワンを締めても緩んでしまいます。

したがって、フレームのフェーシング(BBとの当たり面を平滑にするために少し削って整える事)をしくじって削りすぎてしまった場合、そのフレームは一発でおじゃんです。

余談ですが、JISとITAの左ワンは、ぱっと見区別が付きませんが、内径が違うので互換性はありません。

こちらがITAの105/アルテグラグレードのBB

こちらがITAのデュラエースグレードのBB です。

BB30

フレームにネジは無く、ベアリングを直接フレームに圧入するタイプのBBです。

クランクで一応隠れるものの、ベアリングがむき出しなので、耐水性、耐塵性は最も低いです。

ハンガー幅が68mm、内径42mm、クランク軸径は30mmです。

クランク軸を太くする事で剛性アップを狙って作られた規格ですが、シマノは一切互換品を出しませんでした。

それもそのはず、剛性アップには太さよりもハンガー幅の方が重要だったからです。

その代わり、Qファクターを最も狭くする事ができる規格です。

ちなみに、サードパーティー製であれば、ホローテックⅡアダプターが出ています。

圧入と接着剤で、JISフレームにしてしまうというコンバージョンBBもありますが、一度インストールしたら外せなくなってしまうので、ご注意下さい。

BB86

同じくネジは無く、カートリッジベアリングを圧入するタイプのBBです。

BB30とは違いカートリッジ式ベアリングなので、耐水性、耐塵性は向上しています。

ハンガー幅は86.5mm、内径41mm、クランク軸径は24mmです。

ハンガー幅86.5mmというのが、JISのBB本体外ー外の寸法と同じですので、シマノホローテックⅡクランクがそのまま入ります。

シマノも対応BBをすかさず出しました。

こちらが105/アルテグラグレード

こちらがデュラエースグレードです。

クランクのインナ-ギアがフレームよりも内側に入るので、チェーンが内側に落ちるとフレームに激しく傷がつきます。

ので、BB86フレームにお乗りの方は、BB周りのフレームプロテクトをしっかり行うことをおすすめします。

BB386

BB86のクランク軸を30mmに太くしようぜ、というのがBB386です。

ハンガー幅は86.5mm、内径46mm、クランク軸径30mmです。

シマノはこの規格もお気に召さないようで(?)、互換品を出していません。

サードパーティー製であれば、ホローテックⅡへの変換アダプターは出ています。

まとめ

というわけで、ロードバイクによく使われるBBを5種類挙げてみました。

他にもPF30とかPF30AとかBB90とか色々ありますが、似ている名前でも一切互換性はありませんのでご注意下さい。