最近ではあまり使っている人が少なくなってきたチューブラータイヤですが、セメントで接着する人はほとんどいないのではないでしょうか。

リムセメントは取り扱いが難しそうだと思って、両面テープのようなチューブラーリムテープを使用する方がほとんどだと思います。定番のミヤタチューブラーテープは廃版になってしまいましたが。

しかし、慣れてしまえばリムセメントのほうが簡単なんですよ。というのがこの記事となります。

リムセメントVSリムテープの比較

まず、単純な接着力はセメントのほうが強いです。また、水に濡れた時にも接着力の低下がほとんどありません。シクロクロスなどで使う場合は実質セメント一択です。

カーボンリムへの攻撃性はリムテープのほうが強いです。セメントベッド(後述します)をきちんと作れていれば、タイヤを剥がしたときにセメントがリムに残るので、攻撃性はありません。

しかし、リムテープで接着したタイヤを剥がすと高確率でタイヤ側にリムテープが残り、引っぺがす力がリムにかかります。そのとき、カーボンの積層が一緒にくっついて剥がれてしまうことが昔のカーボンリムではありました。最近のリムはほぼ剥離しないので心配いりませんが、高級カーボンホイールでベリベリするのはやっぱり怖いですね。

セメントのデメリットとして、リムとタイヤに一度ついたセメントは完全に除去できない所です。

セメントカスはどうしても残ってしまうのですが、高級カーボンホイールに付着していると汚い印象で、嫌がる方は一定数います。気持ちは分かりますが、まぁ、ねえ、、、。

一度リムセメントで接着したタイヤを一度剥がして、リムテープで接着するのは実質不可能です。その逆は可能ですが。

あとは、ツーリング中にパンクをしたときにタイヤ交換をする時の簡単さはセメントのほうが優れています。というか、クリンチャーよりも簡単です。これも後述します。

チューブラータイヤの接着方法

少し長くなってしまいましたが、接着方法を解説していきます。

まず、リムセメントの取り扱いですが、蓋に刷毛がついています。この刷毛を缶のフチで拭ってはいけません。

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缶のネジ山部分にセメントが付着してしまうと、缶と蓋がくっついてしまい

次回以降プライヤーで開けるハメになります。(経験者はみんなあるあるwと言っているはずです)

正しくは、はちみつスプーンを使うときのように、刷毛をくるくる回してセメントがネジ山部分に付かないように気を付けます。

次にタイヤの下準備です。

新品のタイヤは固くてはめにくいことがよくあります。特にコンチネンタル

リムに接着するまえに、一度リムにタイヤをはめ(二人がかりでやるといいかも)、空気を8BARほど入れて一晩寝かせておくと、ある程度伸びるのではめやすくなり接着のときに楽です。

次にリムの下準備です。

まずは下地、通称セメントベッドをつくります。

ホイールはこのようにメンテナンススタンドなどに載せてフリーに回転するようにします。

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リムにセメントを一周塗り、30分くらい乾かして再度塗るのを2~3回繰り返します。乾かす目安は指で触ってもネチネチするだけで、糸を引かないくらいです。

重ね塗りが終わったら、可能であれば一晩寝かせます。

急いでいる場合はドライヤーなどで加熱してもいいですが、カーボンリムの場合はやり過ぎないように気を付けてください。

タイヤにもセメントを塗ります。こちらは1回で十分です。

リムにはめていない状態でチューブラータイヤに空気を入れていくと、接着する面(通称ふんどし。正式にはリムテープというらしいですが、両面テープのあれと混同するのでふんどしと呼びます。)が反転するので、上向きになるくらいまで空気を入れておくとセメントを塗りやすいです。

いよいよ接着です。

タイヤを接着する直前にも、もう一度セメントを塗り軽く乾かします。

バルブをバルブ穴に入れ、タイヤを引っ張りながらリムにのせます。

空気を軽く入れ、メンテナンススタンドなどに載せて回転させてみて、タイヤのセンター出しをします。ふんどしの左右の出しろやタイヤが出っ張っている所、引っ込んでいるところがないか確認します。

センター出しが出来たら、空気を規定圧まで入れて、出来れば一晩以上寝かせます。

装着直後は接着力が弱いので、すぐに乗るのはおすすめしません。接着直後でもすぐに乗れるのはリムテープの良い点でもあります。

出先でのパンク対応について

ふんどしにリムセメントがついたチューブラータイヤを予備で準備しておきます。

出先でパンクしたら、パンクしたチューブラータイヤを剥がして、あらかじめセメントを塗っておいた予備のチューブラータイヤを装着して空気を入れればすぐに走れます。このときのタイヤ交換をしてツーリングに復帰するまでのスピードはクリンチャーよりも早いです。

一応がっちりとは接着できていないので、あまりコーナーを攻めたりしてはいけません。

予備のタイヤは折りたたんで、サドルの後ろにトーストラップ(絶滅危惧種)で縛っておきます。

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クリンチャーのようにタイヤレバーや予備チューブ、それらを入れるサドルバッグなどは要りません。

まとめ

というわけでチューブラータイヤをリムセメントで接着する方法をご紹介しました。

読んでみて、意外と簡単そうかな?と思っていただければ幸いです。ぜひチャレンジしてみてください!