リアディレイラーのプーリーを大きくするカスタム、いわゆるビッグプーリーですが、最近使用する人が増えているように思います。

ビッグプーリーってどうなのよ?と言われればまぁ、コンポーネントの3大メーカーが純正で採用しないから使う価値はないと思っていたんですが、使いもしないで断ずるのはいけないな、と思ったので、自分のバイクで使ってみようと思いました。

ビッグプーリーのメリット

よく言われるのが回転抵抗の低減です。プーリーが大きくなると、チェーンの屈曲率が大きくなるので、チェーンの抵抗が小さくなります。

また、ビッグプーリー製品はベアリングにセラミックなどを採用し、回転が非常になめらかなことをアピールすることが多いです。悪いことではありませんが、その効果はあまり大きくありません。

同時にプーリー径が大きくなることで、同じケイデンスでもプーリー回転数が落ちることもメリットとして挙げられますが、これも誤差レベルです。

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それから、見た目がかっこいいというのもメリットの一つです。

ロードバイクに乗るモチベーションの一つとして、愛車がかっこいいから乗るという方であれば、見た目のカスタムの為にビッグプーリーを導入するのもアリだと思います。

ビッグプーリーのデメリット

最も重大なのが、アウターローにしたときにロアプーリーの下側で、プーリーからチェーンが脱線し、ケージとの隙間に挟まってロック、そのまま勢い余ってディレイラー本体やリプレイスエンドをもぎ取って上側までぐるんと半周することがあります。下手をすればディレイラー本体がシートステーにぶつかってクラックが入る事すらあります。

特にプーリーケージをそのままにプーリーだけ大きくすると、チェーンが脱線しやすくなります。ビッグプーリーを使う場合は、ケージまで専用設計されたものを使うことを推奨します。

次は、変速性能の低下です。純正と比べてほとんど変わらないか悪くなることはありますが、良くなることはありえません。

あとは値段が高い所でしょうか。コンポーネントのアップグレードやカーボンホイールなど、他にカスタムする余地があるならそちらを優先した方がいいです。

ビッグプーリーの交換方法

今回はRD-R9100で行います。

まずは車体からディレイラーを取り外し、機械式の場合は、いらないワイヤーを

こちらから入れて

パンタグラフをロー側へ最大まで動かし、ワイヤーを固定します。

Di2の場合は車体から取り外すまえに一番ロー側へ変速してから取り外します。

次にここのトルクスねじを外します。ナメやすいので注意してください。

ネジを外したら、本体とケージをこのようにしっかり持っていないとバイーンと飛んで行ってしまうので注意です。

そーっとケージを外しながらここのストッパーが右側に乗り越えると

あとは自然に外れます。

このストッパーはビッグプーリーに付属していない事もあるので、その場合は純正品から移植します。

新しいケージにバネを移植して、あとは逆順で組み立てます。

バネがひっかかる穴が2種類ありますが、純正プーリーケージと見比べて、近い方の穴に入れます。

ここのトルクスネジを入れるまで、ディレイラー本体とプーリーケージはしっかり押さえておかないと、やはりバイーンと飛んでいってしまうので、注意してください。

というわけでこのように完成したので、車体に取り付けします。

ビッグプーリーをいれる場合のチェーンの長さは、13Tくらいのややビッグプーリーであれば、チェーンの長さは変えなくても大丈夫です。

20Tくらいのかなり大きなプーリーを入れる場合は、1コマ〜2コマ長くする必要があります。

ガイドプーリーが大きくなったので、スプロケットとの隙間が狭くなります。というか当たっています。

エンドアジャストボルト(旧Bテンションボルト)で当たらないように調整します。

ビッグプーリーの忌憚なきインプレ

実際に使ってみた感想ですが、確かにクランクの回転は軽くなったような気はします。

ですが、私のようなホビーライダーは、その日の体調によって調子がいいときと悪い時の差のほうが大きいと思いました。

0.1秒を競うプロレーサーには必要かも知れませんが、たまにしか乗らないホビーライダーには不要なものではないでしょうか。

デメリットの所でも言いましたが、他にカスタムする余地があるなら、そちらを優先したほうがいいです。すべてやり終わって、他にカスタムするところが無くなったら、ビッグプーリーの導入を考えるくらいでいいと思います。

変速性能の低下についてですが、思ったほど悪くなってはいないようです。まぁメーカーによって差はあるでしょうけども。