変速性能の良し悪しって何で決まると思いますか?
「そらディレーラーでしょ」と思う方が多いかもしれませんが、実はリアの変速性能はスプロケットが、フロントの変速性能はクランクギアの形状が大きく影響しています。
今回は変速性能を決める加工について詳しく解説します。
スプロケットの加工
スプロケットは形状が均一ではありません。
一枚を取り出してよく見てみます。
対角線上に2箇所ひょうたん型にえぐってありますね。
ここの部分は、ローギア側に変速する時に、このように
チェーンがぴったりハマるんです。
それから、えぐってある場所から3箇所ほど、歯の先端を削ってあります。
この加工もローギア側に変速するときに、チェーンが当たるのを回避しています。
今度はスプロケットの裏面を見てみましょう
隣り合った2箇所の刃先がえぐってあるのがわかるでしょうか。
このえぐりも対角線上に二つあります。
ここは、トップ側に変速するときに、このように
チェーンが通りやすいようになっています。
シマノの変速性能が良いと言われるのは、このように計算されつくした形状のスプロケットのお陰なんですね
サードパーティ製で、ワンピース構造のアルミでできた超軽量スプロケットがありますが、アルミでは強度が確保できないので、このような細やかな加工はできません。
なので、変速性能はかなり悪くなります。
とにかく軽いバイクを作りたい時には良いと思いますが、普段使いには純正品がよさそうです。
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また、異なる歯数構成のスプロケットを2つ買って、好みの歯数だけを抜き出して自分オリジナルの歯数構成にカスタムしている方がいますが、変速ポイントがズレて変速性能が悪くなる事があるので注意が必要です。
クランクギアの加工
次にクランクギアを見てみましょう。
裏面には4箇所ピンが打ってあり、アウターギアの内側にえぐり加工があります
インナーからアウターに変速するときに、チェーンがこのピンに引っかかり、えぐり加工部分にピッタリ収まるので、スムーズな変速が可能になります。
安価なロードバイクを買うとたまについてくる、よく分からないメーカーのクランクの裏側を見ると、ピンもなければ、えぐり加工もない、真っ平らなアウターギアのものがありますが、変速性能は恐ろしく悪いです。
チェーンの加工
チェーンもアップでよく見てみます。
アウタープレートには、インナーに変速した時に、アウターギアの刃先を避けるような加工がしてありますね。
チェーンに裏表指定があるのはこの為です。
実はこの加工は7900系までの方がはっきりしていて、9000系からは控えめになっています。
シマノチェーンの値上げがエグいので安いからといってよく分からないメーカーの、チェーンプレートの加工がないものを着けると、変速性能が悪化する事があるのでご注意ください。
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