最近ではビッグプーリーのカスタムをする方も増えてきて、導入を検討されている方も多いのではないでしょうか?
ところが、ビッグプーリーの導入には結構見落としがちな注意点があるのでご紹介します。
結論から書くと、プーリーケージはそのままに、プーリーのみビッグな物に変えるのはやめた方が良いです。ビッグプーリーへカスタムする場合はプーリーケージまで専用設計のものにして下さい。
プーリーケージの役割
まず、純正のリアディレイラーを見てみましょう。
こちらは3000kmほど使用した105のリアディレイラーです。
プーリーを分解してみると、プーリーケージの内側に結構な塗装剥げがあります。
つまり、変速の時にチェーンとプーリーケージの内側が擦っているということです。
これは、変速時にプーリーケージもチェーンを押して変速のサポートをしている為です。
ですので、プーリーケージはそのままでビッグプーリーに変更した場合、チェーンの通る場所が変わるので、プーリーケージの内側がチェーンに当たらなくなってしまいます。
したがって、変速性能が低下するので、ビッグプーリーにカスタムする場合はプーリーケージまで専用設計された物に交換することをおすすめします。
プーリーの役割
また、純正のガイドプーリーにはCENTERON G・PULLY(センタロン ガイドプーリー)という刻印があり、プーリーが左右にスライドすることで、変速性能の要となっています。
ベアリングがブッシュ式になっているのでスライドできるわけですが、回転性能はシールドベアリングと比べるとどうしても劣ります。しかし、回転性能よりも変速性能の方が大事なので、このような方式をとっていると思われます。
しかし、サードパーティ製のビッグプーリーは私の知る限り全てシールドベアリングを採用しているので、その点でも変速性能は劣ってしまうのです。
テンションプーリー側にも目を向けてみましょう。
外側のプーリーケージの内側に(おかしな日本語)微妙に塗装剥げがあります。
これは、ギアをアウターローにした時に、テンションプーリーは一番前に行く訳ですが、
チェーンはクロス掛けで斜めになっているので、プーリーとケージの間にチェーンがはまり込みやすい状況です。
純正状態であればきちんと対策しているので、はまり込むことはまずありませんが、サードパーティ製のプーリーに交換した場合、プーリーとケージの間にチェーンがはまりこんでロックしまい、ペダリングの勢いがついていれば、そのままリアディレイラーやディレイラーハンガーをもぎ取ってスプロケ上方までぐるんと回ってしまいます。最悪の場合フレームにヒットしてクラックが入ることだってあります。
ビッグプーリーを入れている人は、アウターローでケイデンスをぶん回して走るのはやめておいた方が良さそうです。
まとめ
というわけでビッグプーリーの注意点についてでした。
そもそもですが、以前の記事で14−18Tとかいうかなりビッグなプーリーを使ってみましたが、回転抵抗の軽減はそれほど体感できませんでした。
見た目がかっこいいから使いたいのなら止めはしませんが、回転抵抗低減に期待して導入するとガッカリするかもしれません。