ロードバイクのチューブレスタイヤの組み付けといえば、なかなかビード上げが上手くいかずに苦労された方も多いと思います。

コンプレッサーで一気に空気を入れるか、サブタンク付きのチューブレス対応フロアポンプを買えば簡単なのですが、何とかして普通のフロアポンプでビードを上げる方法を考えてみました。

その前に、シーラントを入れるだけでビード上げが簡単に出来る場合があります。


チューブレスレディのリム及びタイヤをチューブレスとして運用する場合は、シーラントが必ず必要となります。

チューブレスリム及びタイヤ(レディではない)であればシーラントは不要なのですが、パンクした時の為にシーラントを入れるのもありです。

今回は、チューブレス対応リム&タイヤでシーラントなし、更にフロアポンプのみというハードなシチュエーションです。

使う物

・フロアポンプ

・タイヤサイズに適合するチューブ(700×25cなど)

・廃チューブ

・石鹸水

まずは、なぜ普通のフロアポンプではビードが上がらないのかを考えます。

下図のようにビードがリムの底に落ちていると、ポンピングして入れた空気がどんどん抜けてしまって内圧が上がらないためです。

コンプレッサーであれば、抜けるよりも多く空気を入れられるので、内圧が上がりビードを上げられるわけですね。

ということは、フロアポンプで入れる空気量が抜ける空気量よりも多い状態にすればいいという事です。

ビード上げ方法

実際のビード上げ手順を解説します。

①チューブを入れて空気を入れる

まずは、クリンチャーのようにチューブを入れてタイヤを組み付け、空気を入れます。

当然ビードは上がります。

②ビードを片方だけ外してチューブを取り出す

空気を抜き、片側だけビードを外して中のチューブを取り出します。

反対側のビードは落とさないように注意します。(そう簡単には落ちませんが)

③ビードとリムの間にチューブを噛ませる

チューブレスバルブを取り付けます。ロックナットはしっかり強く締め付けて下さい。

再度タイヤを組み付けて、タイヤとリムの間に廃チューブを挟みます。普通の使えるチューブでもいいのですが、この後の工程でパンクさせる恐れがあるので、廃チューブがあればその方が良いでしょう。

この時、バルブ部分にビードが乗っからないように注意します。

④ビード上げ

挟んでいるチューブの両面を石鹸水で十分に濡らします。

フロアポンプで空気を入れます。石鹸水の泡が、リムの全周に渡って均一に、一斉に出てくれば成功です。

空気を入れても、どんどん抜けてしまって泡が出てこない場合は、どこかに大きな隙間があるので、確認します。

最初はブクブク泡が出ますが、段々おさまってきて20~30psiまで空気を入れられれば成功です。

⑤廃チューブを外して空気を入れる

一旦ポンプを取り外し、少しずつ空気を抜きながら廃チューブを引っ張ります。空気を全部抜いてしまうと、またビードが落ちるので注意してください。

石鹸水が付いているので、廃チューブはぬるりと外せます。

廃チューブを外したら、あとは指定の空気圧まで空気を入れれば完成です。

ビードがリムにはまると「バチン」と音がします。

出来れば1晩置いておいて様子を見ましょう。

翌日著しく空気圧が減っていれば、どこかから空気漏れが発生しています。

石鹸水をかければ空気漏れの箇所が見つかることもあります。

おまけ

ここまで普通のフロアポンプでのビード上げについて解説しましたが、何回もチューブレスタイヤの脱着をする場合は、素直にサブタンク付きのチューブレス対応フロアポンプを買った方が良いです。大変なので。