変わった故障の電動アシスト自転車が入ってきたので紹介します。

症状

自転車を押して歩くことはできますが、ペダルを前に回すことができず、バックさせることもできません。どこかが噛みこんでいるような感じです。

この方はフードデリバリーで毎日相当の距離を、しかも常に急いで乗っているので、かなり過酷な使用をされています。

しかも3速しか使わず、1速2速には入れないで乗っていました。

なので、負荷に耐えられなくなったのかと最初はモーターを疑いましたが、チェーンを外して回して点検すると、モーター回りは問題ありません。

ホイール、というかギア回りがおかしいようです。

分解・内部点検

内装3段ギアを分解してみました。

3段目は、遊星歯車がスプロケの回転に倍速をかけて回す構造になっていますが、遊星歯車を支えるシャフトが全て粉砕しています。

さらにシャフトを受ける穴が押されて楕円になっています。

さらにさらに遊星歯車の内径もガバガバにひろがっています。

電動アシストは、人の踏力の2倍までアシスト出来るので、通常の300%の負荷がかかることがあり、力のある男性がガシガシ踏むとこういう事になるんですね。

アシストしてくれるから、3速のまま発進しても普通に走れてしまうのですが、普通の自転車のように1速で発進して、スピードに応じて、2速、3速とシフトアップしていったほうが、ギアの摩耗も抑えられますし、モーターへの負荷も低減できます。

あと、変速ワイヤーも動かさないと錆びついて固着しやすいので、変速は積極的に使ったほうがいいですね。

ただし、上り坂などで負荷がかかっているときに変速をすると上手くギアチェンジできないので、一瞬こぐ脚を止めて変速するとスムーズにギアチェンジできます。

内装3段の内部ユニットを丸々交換しました。

まとめ

ということで、電動アシスト自転車は適宜変速を使ったほうが壊れにくいですよ、という記事でした。

内装3段の修理となるとかなり高額になるので、長持ちさせたいですよね。

特にお子さんあるいは重量物を載せている方や、フードデリバリーなど過酷な使い方をしている方は気を付けてくださいね。